『車輪の下で』を読んだ

 ヘッセの『車輪の下で』を読んだ。とても良い作品だった。救いがなかった。

 次の表現は素晴らしかった。

 運命はハンスに自分の暗い意図を喜ばせ、ハンスが毎日死の杯から何滴かの意欲と生きる力を汲み取っていく様子を見守っていた。

ヘッセ『車輪の下で』 訳者:松永美穂 光文社 2014年11月25日 第6刷発行

 ハンスは死ぬことが生きる希望になっていた。もう自分はいつでも好きなときに死ぬことができる、と思うと生きられた。

 他にもたくさん素晴らしい表現があった。