読書

『水たまりで息をする』を読んだ

高瀬隼子の『水たまりで息をする』を読んだ。最高だった。夫が壊れたらどうするか。

『自殺について』が素晴らしい

ショーペンハウアーの『自殺について』を読んでいる。素晴らしい。ショーペンハウアーは偉大だ。『読書について』も素晴らしかった。 いかに、ひとりひとりの生活が、惨憺たる艱難辛苦に直面しているかを、よくよく考えてみるならば、だれしも、戦慄を覚えず…

『女生徒』とヨルシカ

太宰治の『女生徒』を読んだ。読みながらヨルシカを連想した。 ヨルシカの『斜陽』は太宰治の『斜陽』のオマージュだが、もしかしたら『女生徒』にも影響を受けているかもしれない。 私は、恋をしているのかも知れない。 太宰治『女生徒』 僕は恋をしたんだ…

『父』を読んだ

太宰治の『父』を読んだ。気持ちが軽くなる作品だった。晴れ晴れとした気持ちになり、やる気が湧いてくる。 芥川龍之介とはまた違った良さがある。芥川龍之介は知的で自分に厳しい印象を受ける。上品で物静かであり、しかし気取っている感じを受けない。 太…

最近読んだ本

読んだ本について1冊ずつ感想を書くのがめんどうになった。 最近は芥川龍之介の『或阿呆の一生』、『歯車』、『河童』を読んだ。どれも素晴らしい。言葉が静か。やかましくない。胸の底深くに届く。とても大切な言葉だと感じる。 最近の本は読めそうもない。

『秋』を読んだ

芥川龍之介の『秋』を読んだ。信子はずっと後悔するのだろうか。大阪で今の夫と暮らしていけるのだろうか。 久しぶりに会った信子と俊吉の会話。信子が辛い。 「どうです、大阪の御生活は?」「俊さんこそ如何?幸福?」 芥川龍之介『秋』 芥川龍之介全集 Ki…

『山羊の歌』の「月」を読んだ

中原中也の詩集を読んでいる。やっぱりわからない。たぶん詩がわからない。「詩」とはなんだろう。意味がわからなくて全然読み進めることができない。 「月」を読んだ。読んだとは言えない、目で文字を追っただけ。 なぜ月はかなしいのだろう。養父の疑惑と…

『山羊の歌』の「春の日の夕暮」を読んだ

中原中也の詩集を読み始めた。わからない。知らない言葉がたくさん出てくる。ただ文字を目で追っているだけ。 「春の日の夕暮」を読んだ。 真っ赤な夕日が家々に沈んでいく様子が目に浮かぶ。次になぜ「穏やか」と来るのか。アンダースローのように地面すれ…

『星の王子さま』を読んだ

サン・テクジュペリの『星の王子さま』を読んだ。涙が出てきた。本当に心に響いた。とても切ない。しかし前を向くことができる。これがあれば生きていける。かなしいとき、つらいとき、さみしいとき、きっと助けになってくれるだろう。

『私の個人主義』を買った

明日は早く起きて雪かきして出かける。そのために早く寝る。今までは青空文庫で読んでいたが『私の個人主義』を買った。とても面白い。気に入った部分を引用して早く寝る。 本来をいうと私はそういう社交機関よりも、諸君が本業に費やす時間以外の余裕を挙げ…

『私の個人主義』を読んでいる

夏目漱石の『私の個人主義』を読んでいる。今日は疲れて最後まで読めないし、やっとの思いで読んだとしてもまともに感想を書けない。もう思ったことを書く。 私と同じような悩みを抱えていることに驚いた。 私はこの世に生れた以上何かしなければならん、と…

『雪国』を読んだ

川端康成の『雪国』を読んだ。雪国の描写が美しかった。島村は妻子を置いて駒子と遊び、駒子は無責任な島村のことが好きだったが、作中にもあるように「無為徒食な」島村になぜあんなに惹かれていたのかわからなかった。

『車輪の下で』を読んで気に入ったところのメモ

ヘッセの『車輪の下で』は核心をつく表現が多いと思う。気に入ったところをメモしておく。 彼の鈍重な頭の中には、多くの偏狭で平凡な人々が持つ理想が漠然と生まれていた。自分という幹から一本の枝が自分を越えて高みに伸びてゆくのを見るという理想である…

『車輪の下で』を読んで思ったこと

次の文章を読んで教育や社会は誰のためにあるのかと疑問に思った。 学校の使命は、上から認められた基本方針に従って人間を社会の有用な一員とし、彼のなかにある特性を目覚めさせることにある。 ヘッセ『車輪の下で』 訳者:松永美穂 光文社 2014年11月25日…

『車輪の下で』を読んだ

ヘッセの『車輪の下で』を読んだ。とても良い作品だった。救いがなかった。 次の表現は素晴らしかった。 運命はハンスに自分の暗い意図を喜ばせ、ハンスが毎日死の杯から何滴かの意欲と生きる力を汲み取っていく様子を見守っていた。 ヘッセ『車輪の下で』 …

『若きウェルテルの悩み』を読んだ

ゲーテの『若きウェルテルの悩み』を読んだ。悲しくてやりきれない気持ちになった。 一度読み終えてから最初に戻るとウェルテルに親しみを感じた。ウェルテルはとても魅力ある人間だった。だから余計に悲しくてやりきれない気持ちになった。次の出だしの一文…

『正義と微笑』を読んだ

太宰治の『正義と微笑』を読んだ。16 歳でよくあれほど書くことができると思った。作者が兄から読んでもらった教えが素晴らしかった。 ゆうべ兄さんから、マタイ六章の十六節以下を読んでもらった。それは、重大な思想であった。僕は自分の現在の未熟が恥ず…

『老人と海』を読んだ

ヘミングウェイの『老人と海』を 2 回読んだ。最近 2 回読むとよく理解できることに気づいた。1 回読んだだけではどんな話だったか覚えていない。 老人は巨大なカジキに引っ張れて陸地から遠ざかり、そのまま漂流してしまうのではないかと心配になった。 振…

『斜陽』を読んだ

太宰治の『斜陽』を読んだ。恋の革命を夢見る世間知らずのかず子、日に日に弱っていくかず子の母、麻薬や酒で堕落していくかず子の弟の直治の 3 人の物語である。 戦後、貴族だった母とかず子は東京から伊豆に移る。次第に母は体調を崩していく。そこへ弟の…

『読書について』で好きなところ

ショーペンハウアーの『読書について』は面白い。痛烈な批判が爽快だ。ときどき言い過ぎではないかと感じる部分もある。次の部分は特に好きだ。 凡庸な物書きはみな、持ち前のありのままの文体を偽装しようとする。そのためにまず素朴さを断念せざるをえず、…

『存在と時間』の序論

最初のうちは真剣に読んでいたが、現存在の歴史性のあたりから読むのが辛くなった。そのあたりから流し読みした。まだ訳者の解説は読み途中。 印象に残ったのは次の部分: 現存在の存在は、その意味を時間性のうちにみいだす。 ・・・(中略)・・・ 現存在…

『変身』のあとがき

カフカ『変身』のあとがきが好きだ。訳者が書いている。 その作品中、ことに有名な、この『変身』の「巨大な褐色の虫」は何の象徴であろうか。答えは無数にあるようだ。そしてどの答えも答えらしくは見えぬ。けだし文学とは、それ自身がすでに答えなのである…