『山羊の歌』の「春の日の夕暮」を読んだ

 中原中也の詩集を読み始めた。わからない。知らない言葉がたくさん出てくる。ただ文字を目で追っているだけ。

「春の日の夕暮」を読んだ。

 真っ赤な夕日が家々に沈んでいく様子が目に浮かぶ。次になぜ「穏やか」と来るのか。アンダースローのように地面すれすれに投げた後、砂が舞う様子が目に浮かぶ。次になぜ「静か」と来るのか。

 案山子もいない畑。手入れがされていない雑草や弱った土が目に浮かぶ。馬のいななきもしない静かな夕暮れ。月の光のヌメラン、夕暮れに月は目に浮かばなかった。ここがわからない。ヌメランだとかなり輝いているように見える。従順もわからない。

 ここからさらにわからなくなっていく。伽藍という字を読めないし、それが何かを知らなかった。ただ空と山が嘲る嘲る様子はよくわかる。このような言い回しで人間の営みの浅さを表現するのか。

 瓦が一枚はぐれるとはどういうことかわからない。夕暮の前進も静脈もわからない。